「NAQUYO-平安京の幻視宇宙-」ライブ公演とワークショップを京都で開催
アート×サイエンス・テクノロジーの祭典「KYOTO STEAM-世界文化交流祭-」とMUTEK.JPのコラボレーションによるアートプロジェクトNAQUYOは、平安京のサウンドスケープ(風景)をテーマにした3組のアーティストによるライブ公演と、後進の育成を目的としたオーディオビジュアルワークショップを3月27日、28日にロームシアター京都にて開催します。
NAQUYOの第一弾として2020年10月に開かれた「平安京の幻視宇宙とは何か?」を考察したオンライントーク&ライブ、第二弾として同年12月に開かれた「文学と美術史料から平安京の音風景」を探ったオンライントークに続く今回は、アーティストが平安京のサウンドスケープをテーマにしたライブパフォーマンスを披露します。
MUTEK.JP 2018で初共演したサウンドアーティストのKazuya Nagayaとトルコ出身のビジュアルアーティストAli M. Demirelのコラボレーションに、MUTEK Montreal 2020へ出演した京都拠点のオーディオビジュアルアーティストJunichi Akagawaと、京都拠点のダンスチームnousesの片割れ、山本晃ことnouseskouとのコラボレーション、そしてMUTEK.JP 2021で初共演を果たしたことも記憶に新しいプロデューサーYuri UranoとビジュアルアーティストManami Sakamotoの組み合わせ、全3組が、京都市内各所の寺院でレコーディングした、梵鐘の音を使用したライブ表現に挑みます。平安京のサウンドスケープ、電子音楽、アンビエント、デジタルアート、コンテンポラリーダンス組み合わさった全く新しい作品になるでしょう。
そしてオーディオビジュアルワークショップでは、AbletonとTouchDesigner by Derivative協力のもと、アートとテクノロジーの融合について理論的・実践的に学べる4つのセッションを展開します。
Kazuya Nagayaによる音楽制作の思考プロセスについて、次にメディアアーティストのAyako OkamuraによるTouchDesignerとAbleton Liveを用いたオーディオビジュアル連携の解説。加えて京都を中心に活動する実験コレクティブ、SPEKTRAによるクリエイティブプレゼンテーションを展開。最後は、Junichi AkagawaによるAbleton & TouchDesigneを駆使して表現する、3/27 NAQUYOライブのパフォーマンス内容をご紹介します。
NAQUYO LIVE PERFORMANCE
日程:2021年3月27日(土)
時間:18:00〜20:00 (開場17:30)
出演:
料金:無料
参加定員:500名 (先着順・小学生以上)
参加期限: 2021年3月24日(水)まで
申込先:KYOTO STEAM-世界文化交流祭- 実行委員会事務局
なお、ストーミングチャンネルDOMMUNEを介してライブ配信も実施します。配信のみ、冒頭に30分のトークを挟みます。
17:30-18:00 TALK:「NAQUYO 平安京の幻視宇宙・邂逅」
谷崎テトラ(放送作家/KYOTO STEAM -世界文化交流祭- 実行委員会チーフディレクター)
中川 真 (サウンドアート研究者/大阪市大都市研究プラザ特任教授)
竹川潤一(MUTEK.JPクリエイティブディレクター)
岩波秀一郎 (MUTEK.JP代表)
18:00-20:00 LIVE:「NAQUYO LIVE PERFORMANCE」
Kazuya Nagaya & Ali M. Demirel
Junichi Akagawa & nouseskou
Yuri Urano & Manami Sakamoto
NAQUYO Audiovisual Workshop
日程:2021年3月28日(日)
時間:14:00~17:00 (開場13:30)
プログラム / 出演:
14:00_14:15:
「静寂の技法~過去の音、未来の静寂のために」/ Kazuya Nagaya (サウンドアーティスト)
14:30_15:10:
「オーディオビジュアル基礎 – Ableton LiveとTouchDesignerの連携について」/ Ayako Okamura (メディアアーティスト、エデュケーター)
15:25_16:05:
「光と空間演出について」/ Kosei Ikeda & Toyoshi Morioka (SPEKTRA)
16:20_17:00:
「裏から覗くパフォーマンス」/ Junichi Akagawa (オーディオビジュアルアーティスト)
料金:無料
参加定員:50名 (先着順)
申込期限:2021年3月25日(木)まで
申込先:KYOTO STEAM-世界文化交流祭-実行委員会
NAQUYOとは
1200年前の京都(平安京)は、どのような音に包まれていたのでしょうか。
平安遷都(794年)から遡ること30年前、平城京から遠く離れた桜島の噴火の音が聞こえたという記述が『続日本紀』にあります。それは、当時の都を包み込む音環境が現代からはおよそ考えられないほど、清明に澄み渡るものだったことを意味しています。また、平安期に書かれた『枕草子』『源氏物語』『宇津保物語』などには、雅楽や声明、寺院から鳴る梵鐘の音や季節ごとに変わる虫の声、町の喧噪など、日常生活の中で聞こえてくるありふれた音が書きとめられています。これらも、作者たちの創造の源泉だったのかもしれません。
NAQUYOは、平安京サウンドスケープ論の名著『平安京 音の宇宙』で知られる音楽学者・中川真氏、京都芸術大学 (旧名称:京都造形芸術大学) 等の協力のもと、最先端技術と文化研究を融合させ、平安京のサウンドスケープ(音風景)の芸術的創造に挑戦し、都市における音環境の重要性を共に考える、開かれたアート・プロジェクトです。
主催:KYOTO STEAM-世界文化交流祭-実行委員会-
共催:一般社団法人 MUTEK Japan、株式会社電通 京都支社
協力:学校法人 瓜生山学園 京都芸術大学 (旧名称 京都造形芸術大学)
Ableton 株式会社、TouchDesigner by Derivative